生産者紹介

産地訪問レポート#6 深花園

産地訪問レポート、ついに6回目!

暑くなってきましたが体調に気を付けて日々頑張りましょう🌻

 

さて、今回はこちらの生産者様を訪問させていただきました!⇩

 

このオシャレでわかりやすい箱は・・・

福島県白河市にある深花園さんです!

 

 

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深花園ではオリエンタルユリをメインに生産しています。

現在のオーナーさんは2代目で、100棟を超えるハウスで日々ユリを栽培しています。

深花園では年間280万本のユリを栽培しています。

もちろん時期により変動はありますが、1日あたりに換算するとおおよそ7,500本切っている計算になりますね。

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ユリを280万本切るためにはもちろん280万個の球根が必要。

しかし近年では球根の輸入量が減少しており、来年の出荷本数は50~100万本減少する見込みとなっているそうです。

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すごい量の球根だね。
でも球根が足りなくなってしまうのは心配だね……。

ん?
なんだかユリじゃない花が見えるけど・・・

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そう、深花園では実はユリ以外にもハイブリッドチース・アルストロメリア・ユーカリなども栽培しているのです。

球根数の減少などで稼働していないハウスが出た場合でも、それらの空きスペースを無駄にしない工夫がされているのですね。

このような工夫により、栽培面積や設備の有効利用ができ、季節の変化や需要の変動にも柔軟に対応できる体制を築くことができています。

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深花園では、規模の大きなユリの生産だけでなく、ハウスの有効活用や多品目の栽培にも積極的に取り組んでおり、柔軟にアイデアを実践しています。

ユリやハイブリッドチースはもちろん、これからどんな花が登場するのかも楽しみな生産者様です。

ぜひ市場で見かけたらお手に取ってみてくださいね。

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※令和7年6月現在の情報です

 

産地訪問レポート#5 新井園芸

今回は茨城を飛び出して・・・

ここはどこでしょう?

 

ヒント:カーネーション生産量が全国一位!(令和5年)

 

 

 

 

 

 

答えは・・・

 

長野県でした!

 

 

長野県は昼夜の寒暖差が大きく比較的日照時間が長いため、品質の高いカーネーションづくりに向いている土地だといいます。

今の時期、晴れの日は昼夜で15℃差があることも!

 

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今回訪問させていただいたのは新井園芸さん。

カーネーションをメインに生産しており、11~12月はラナンキュラスも出荷してくださっています。

50年前から花を生産し始め、現在は二代目が跡を継いでいます。

 

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↑二代目の新井さん

 

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飯田市の他のカーネーション農家では、12月ごろからカーネションを定植し始めるのが一般的です。

しかし新井園芸さんでは干し柿の作業がその時期に集中するため、6月と9~10月に定植を行っています。

二足のわらじ!干し柿のお味も気になるなあ~

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スタールビーテッシノ

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新井園芸では花立ちがよく本数が切れる品種を選んで生産しています。生産の安定や品質を重視した品種選びを行っており、圃場でもまっすぐ揃ったたくさんのカーネーションが並んでいるのが見られました。

またやはり花き生産について回るのが燃料問題。新井園芸では重油価格の高騰が悩みの種だといいます。

特に4~5月、相場が低迷した時期は燃料費と収入のバランスが苦しかったとのこと。

だからと言って、燃料を使わないという選択肢はないのがつらいね・・・。

 

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新井園芸では、出荷量が少ない夏季にもスタンダードカーネーションを出荷しています。

カーネーションは高温多湿に弱いお花。もちろん夏季は栽培が難しく、そんな中で安定した出荷を行っている生産者は少ないため、市場としてもとても貴重な供給先になっています。

 

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クレーヌ(新井さんによると、来年以降は生産するかどうかわからないとのこと・・・お求めはお早めに!)

ジュリア

 

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まだまだ若くやる気のある生産者さまでした!
これからの時期、市場で新井さんのカーネーションを見かけたら
ぜひ一度手にとってみてね!

産地訪問レポート#4 石嶋園芸

産地訪問レポートも4回目!

バラ特集最終回です。

場所は茨城県古河市

市場からは少し離れたところに位置します。

 

 

こちらが石嶋園芸の石嶋さん。

1992年から開始し、33年にわたって園芸業を営んでいらっしゃいます。

当初は様々な品目や品種に挑戦し試行錯誤していましたが、今ではバラに特化した生産を行っています。品種も、STバラの「サムライ」、SPバラの「レディラブ」に絞って生産されています。

 

サムライ

レディラブ

 

ピンと背筋を伸ばして並ぶバラが美しいね!

 

 

「サムライ」「レディラブ」に品種を絞って10年。

この選択により日々の作業や環境管理において、より安定した品質維持が可能になっています。

また石嶋園芸では4-5年おきに改植を行っており、ビニールハウスも新しくしたりと、品質向上のための環境整備を日々されています。

いい環境で育ったからこんなに品質がいいものができるんだね!

 

 

「品種を絞ることで、より高品質のバラをお客さまのもとへ届けたい!」とお話しいただきました。

また、ご高齢でありながらも栽培を続ける中で、お客様に「石嶋さんのバラが好き」などのお声をいただくことがとても励みになっているとのこと。

 

ぜひ石嶋さんのバラを手に取って、その品質を実感してみて。
石嶋園芸をこれからもよろしくお願いします!

産地訪問レポート#3 JA茨城むつみ 苅部様

産地訪問レポートも3回目!バラ特集も残り2回となりました。

訪れたのは茨城県古河市

茨城県の西端、関東地方のほぼ中心に位置しています。

 

今回は、JA茨城むつみに所属する苅部さんの農園にお邪魔しました。

1992年からバラの生産を行っており、現在約1000坪(畳2000枚分!)の土地でサムライをはじめとする様々な品種を生産しています。

見渡す限りのつやつやとした葉っぱが圧巻だね!

↑ジュミリア

↑ナイチンゲール

↑ブルターニュ

↑サニーデイ

 

苅部さんの栽培構成は1/5がサムライ(STバラ)、残る4/5はさまざまな品種で構成されています。

 

サムライは何といっても赤バラの定番品種!安定的に生産されています。

それ以外でも様々な品種に取り組むことにより、年間を通して様々な需要に応えることができます。

 

 

花き栽培でネックとなるのがやはり光熱費。苅部さんの農園でもやはり悩みの種は暖房費とのこと。

特に近年は燃料価格の高騰が続き、暖房費だけで月100万以上の出費になっているとのことです。

とはいっても温度管理は花き栽培の要。温度管理を維持しつついかに効率的に生産を行うかは、苅部さんに限らずすべての生産者さんの頭を悩ませる重大な問題になっています。

つ、月100万…!
温度管理を少し怠るだけで商品にならなくなる場合もあるんだね。

 

また、苅部さんの農園では4-5年ごとに改植を行っています。

ただし、3年を過ぎると花立ちが悪くなってしまうのもあるとのこと。

改植のタイミングに関わらず、普段から各品種、ひいてはそれぞれの花をひとつずつ丁寧に確認しながら管理していく必要があります。

苅部さんのバラは、愛と丁寧さに裏打ちされた品質なんですね。

 

一本一本丁寧に、心を込めて生産されている苅部さんのバラ。
ぜひみなさんにも手に取ってほしいです!

※写真や情報は令和7年5月現在のものです

産地訪問レポート#2 神生バラ園

こんにちは!水戸中央花き市場です。

水戸市場の妖精さんです!
今日はどこに行くのかな?

 

今回訪問したのは茨城県石岡市にある神生バラ園さん。

 

↑神生バラ園の神生さん。なんともステキなお召し物ですね

            

神生バラ園は、1974年からバラの栽培を始め、バラのハウスだけでなんと約1400坪の広さを誇ります。

1400坪は約4630平方メートル、100㎡の一軒家がズラリと46棟建つ広さ!

 

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足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのは、変わったバラの数々。

↑ リージェンツパーク

↑ テナチュール

↑ ケンジントンガーデン

 

神生バラ園の強みは、なんといってもガーデンローズやその他の珍しいバラを多く栽培していること。他ではなかなか見られないような、個性豊かなバラたちがそろっています。

ガーデンローズはもともと庭や鉢で楽しむためのバラ。花の形がおしゃれで、香りがしっかりしているのが特徴です。「よくある切り花のバラとはちょっと違うものを使いたい!」というフローリストやお花好きの方々に人気があります。

ただし、こうしたバラは切り花用に作られたものではないため、育てるのがとにかく難しい。だからこそ、多くの生産者さんはなかなか手を出せないのが現実です。

また、全体の半分は日本で生まれて日本にしかないバラとのこと。神生バラ園ではあえて育てにくい品種にもチャレンジし、品ぞろえをどんどん広げています。また、大手の種苗会社を通さず、神生さん自身が独自のルートで珍しい品種を探し出して仕入れているそうです。

 

 

↑神生さんイチオシ品種「ザ・セレスティアル」。写真では伝わらない、シルバーホワイトの神秘的な雰囲気・・・この写真では開ききっていませんが、咲き進むともっとボリューミーになるとのことです。

 

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また神生バラ園では、水耕栽培にこだわっているとのこと。

水耕栽培とは、土を使わずに水と養分で植物を育てる方法。これにより土にまつわる病気のリスクを減らし、より清潔で品質の高いバラを生産することができます。

さらに、バラの改植は(品種にもよりますが)3〜4年おきに行われるので、常に新鮮で健康なバラを育てることができます。

ただ、改植が3~4年おきということで、逆に最低4年間は売れる品種を見極める必要がある点が大変とのこと・・・。

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・・・あれ?これはバラじゃないよね?

実は神生バラ園では、フィアージュ(草花、枝物など)の生産も行っています。手のかからないものを中心に、数本手に取るだけで雰囲気が出せるものを目指して生産されています。

また茨城県には枝物の一大産地があるため、そこと被らないようあえてブーケサイズを提案することにより他との差別化を図っているとのこと。

さらっと束ねるだけでもおしゃれだよね!

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神生バラ園は、ただバラを育てるだけではなく、花屋さんの“こんな花が欲しい”という声に、いつでも応えられるようアンテナを張り巡らせている生産者さんです。

 

そして神生バラ園の魅力は、バラの品質だけではありません。
花屋さんのニーズに寄り添いながら、バラ以外の植物にも目を向けて挑戦するフットワークの軽さと、常に前進しようとするエネルギーにあふれています。

 

情熱と行動力、そして確かな技術に裏打ちされた神生バラ園。
これからも、花業界をリードする存在として、ますます期待が高まります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

※写真や情報は令和7年4月現在のものです

 

 

 

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↑ 試作品種も見せていただきました。市場で会える日が楽しみですね🌼

産地訪問レポート#1 野口バラ園様

こんにちは!茨城県水戸中央花き市場です。

せっかくの産地訪問を皆さんにお伝えしたい!という気持ちで、これから不定期で産地訪問レポートを投稿していきますのでよろしくお願いします。

水戸市場の妖精さんです!よろしく!
色々な産地に行くの、楽しみだな~

・・・

今回向かった先は茨城県石岡市!

石岡市は茨城県の中央部に位置し、筑波山などの山々や恋瀬川や霞ヶ浦などの豊かな自然に囲まれた地域です。都市部には常磐線やBRTも整備され、住みよい街と言えそうです。

フラワーパークもあって、花き生産も盛んな地域!

そんな石岡市の中心地区を進んでいくと、住宅街の中にいきなり農場が現れます。

 

出迎えてくれたのは生産者の野口和茂さん。

野口バラ園は1980年に創業し45年続いているそうです。

 

そんな野口さんの農場に足を一歩踏み入れると・・・

 

多種多様なバラたちが出迎えてくれました!

上記のバラたちはほんの一例。

野口バラ園さんではたくさんの種類のバラを生産しているんです。

色々なニーズに対応できんね!

その中でも野口さんのイチオシはこのバラとのこと。

この「トワ」を生産しているのは野口さんだけなんだって!

 

そんな野口さんの農場、ふと目をやるとなにやらバラ以外の植物が・・・

 

実は野口バラ園さんはバラ以外にも枝物を生産しているんです。

夏場は高温の影響でバラの品質が落ちやすく、売り上げも落ち込みがち。

そんな夏でも安定して供給できるピンチヒッター・枝物のおかげで収支が安定しているとのこと。

茨城県といえば枝物♪
おしゃれだし、アレンジなんかに入れても素敵な品目だね。

 

野口バラ園さんでは数年前から枝物の栽培を開始し、現在はグニユーカリやブルーベリー、オリーブなどを中心に生産しています。

今後はさらに品種数を増やしていきたいとのこと!期待が高まりますね。

 

野口バラ園さんでは3年前にご子息が就農されたそうです。

バラの栽培面積は年々少なくなっているとのことですが、新しい挑戦を続ける姿勢に期待が高まる生産者様です!

今後も野口バラ園さんの活躍に注目していきたいですね。

 

バラも枝物もみんなに愛される品種。未来ある生産者さんに期待だね!

 

※写真や情報は令和7年4月現在のものです